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日本の未来を変えられるか ~すべての子どもの幸せのために~

 ついこの間のことです。私が病院から出ようとすると、小さな女の子が私の名前を大きな声で呼びながら、母親の手を振り切って駆け寄ってきました。息を切らせながら走ってきたその子の顔を見たとき、「あぁ、あの子だ」とすぐに気がつきました。  彼女は生まれたときからの先天性高度難聴でしたが、いま、健聴児とまったく変わらない様子を目にして、改めて子どもの成長ぶりに驚かされました。

 私が新生児聴覚検査にかかわってから、早くも8年の歳月が経ちました。平成10年、新しい難聴検査装置が日本に導入され、新生児聴覚検査事業が開始されました。 現在、新生児全員を対象としたスクリーニングの難聴検査が可能です。多くの問題を抱えてはいますが、さきほどのような元気な子を目にすると、「難聴は乗り越えることのできる障害」であると実感します。  

難聴は目に見えない障害です。周囲がその子の難聴に気づくことなく、放置されてしまうと、人格形成に影響をおよぼすことにもなります。しかし、早期発見・早期診断により適切な療育がなされれば、健聴児と同様に成長・発達することが可能です。難聴があってもなくても、基本的な育児に違いがあるわけではありません。最も大事なことは、その子に合ったコミュニケーション方法を見つけ選択していくことであると感じています。  

医師のみならず、看護師、言語聴覚士、保健師、保母、学校教育者(聾学校教員、難聴学級)、行政官など、さまざまな専門家が小児難聴の診断・治療・療育について検討し、実効性のあるケアシステムを作らなければなりません。医療の進歩を止めることはできません。知れば知るほど迷うことにもなります。多岐におよぶ専門家がかかわることになるので、よく相談し、相互に意見を反映させながら、それぞれの役割を遂行していかなければならないと考えています。

  ところで皆さんは、電話を発明したグラハム・ベルが難聴だったことをご存じですか? そして彼の奥さんも同じように難聴だったことを? グラハム・ベルは1898年に夫妻で来日され、京都と大阪で小児難聴への取り組みの重要さを訴え、同時に、手話だけでなく口話も大切と講演されました。へレン・ケラーにサリバン先生を紹介したのはこのグラハム・ベルです。今年は日本にグラハム・ベルが来日して110周年です。 

すべての子どもに幸せな未来が訪れることを願ってやみません。

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コメント (1)

エミ:

9ヶ月の息子が難聴です。
今は市立病院へ通っていますが他に良い病院ありますか?

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小児病院勤務医師。

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